Japanese
English
研究と報告
精神運動発作におけるDreamy Stateについて
About a Dreamy State in Psychomotor Seizures
扇谷 明
1
,
清野 昌一
1
,
河合 逸雄
2
Akira Sengoku
1
,
Masakazu Seino
1
,
Itsuo Kawai
2
1国立療養所静岡東病院
2京都大学付属病院精神神経科
1National Epilepsy Center, Shizuoka Higashi Hospital
2Dept. of Neuropsychiat., Kyoto Univ. School of Med.
キーワード:
Psychomotor seizures
,
Dreamy state
,
Mental diplopia
,
Familiarity
Keyword:
Psychomotor seizures
,
Dreamy state
,
Mental diplopia
,
Familiarity
pp.699-705
発行日 1982年7月15日
Published Date 1982/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203438
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抄録 精神運動発作をもつてんかん患者192例のうちdreamy stateを呈した37例についてそのdreamy stateの臨床特徴を調べた。その結果,dreamy stateは認知の変容体験と追想体験に2大別され,認知の変容体験はその対象により,状況,空間,時間,自己身体,自己,外界の対象に分類された。dreamy stateにおける意識の構造として精神的2重視mental diplopiaを論じ,それは異常体験を伴った高揚した意識に対して,残存の正常意識でその時の周囲の状況をある程度とらえ,そして自分の異常にも気づいている意識の状態であった。mental diplopiaが象徴的に具現化したものとして自己像幻視体験を論じた。またdreamy stateの症状の内容として親近感の変容を論じ,それは現在の認知を自己に統合する際,なつかしいとか奇異なとかの感情を伴って自己にかかわってくるもので,過去の記憶をよびおこそうとする情動の働きを伴ったものであった。
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