Japanese
English
特集 視覚失認
視覚保続Palinopsia—自験4例および34文献例の検討
Palinopsia: A report of 4 cases and a review of reported 34 cases in literature
深田 忠次
1
,
高橋 和郎
1
Tadatsugu Fukada
1
,
Kazuro Takahashi
1
1鳥取大学医学部脳幹性疾患研究施設臨床生理部門脳神経内科
1Division of Neurology, Institute of Neurological Sciences, Tottori University School of Medicine
pp.383-389
発行日 1982年4月15日
Published Date 1982/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203402
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I.はじめに
視覚保続visual perseverationは外界の視覚刺激が視覚刺激を行ったあと,除去されてもなお異常な時間にわたり視覚像を残存する現象をいう。本来の視覚像に引き続いて,間欠を置かないで生ずる像を,persevernation visuelleとし,ある間欠の後に出現する視覚像を,前者と区別してpalinopsieとする立場もあるが7),ここでは両者を一括してpalinopsiaとする。なおpalinはagainの意味の接頭語である。
Critchley(1951)2)はpalinopsiaの7例を詳細に報告した。本邦では廣瀬1)は陽性残像が多視症,すなわち像列をなして出現するてんかんの1例を報告している。最近脳CT検査を行った症例報告13〜16)も出てきたが,一般には本現象の報告は少ない。今後精度の高い補助検査の進歩とともに,本現象の病態はさらに詳細に解明されるものと予想される。
ここに自験例および1951年以後の内外の文献のpalinopsiaの分析結果を報告したい。
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