Japanese
English
短報
アルコール離脱反応時に発見された慢性硬膜下血腫の1例
A Case of Chronic Subdural Hematoma Defected in the Alcoholic Withdrawal Reaction
藤本 明
1
,
池田 友彦
1
,
吉岡 晋一郎
1
,
庄盛 郭子
1
,
田辺 研二
1
,
富井 通雄
1
,
江原 嵩
2
Akira Fujimoto
1
,
Tomohiko Ikeda
1
,
Shinichiro Yoshioka
1
,
Atsuko Shyomori
1
,
Kenji Tanabe
1
,
Michio Tomii
1
,
Takashi Ebara
2
1県立岡山病院
2岡山大学医学部神経精神科
1Okayama Prefectural Hospital
2Dept. of Neurol. and Psychiat., Okayama Univ. Sch. of Med.
pp.821-823
発行日 1981年8月15日
Published Date 1981/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203295
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I.はじめに
慢性硬膜下血腫が慢性アルコール中毒患者に起こりやすいことは,よく知られている。これは,主として外傷の頻度が高いこと及び栄養障害による血管の脆弱性によるものと推測されている1)。しかし,慢性硬膜下血腫の発生機序に関しては,ただ出血の結果,硬膜下に小血塊が存在するというだけでは不十分と考えられており,発症に至るまでは何らかの不明の(+α)の要因が必要であると考えられている。我々は,今回慢性硬膜下血腫の発症にアルコール離脱反応が関係したと推測される1例を経験したので,この(+α)要因とアルコール離脱反応の関係について若干の考察を加えて報告する。
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