Japanese
English
研究と報告
19歳まで別々に育てられた一卵性双生児統合失調症の完全一致例
Concordant Schizophrenia of Monozygotic Twins Reared Apart until 19 Years Old
野村 陽平
1,3
,
大曲 清
2
,
森山 成彬
1,4
Yohei NOMURA
1,3
,
Kiyoshi OOMAGARI
2
,
Nariakira MORIYAMA
1,4
1八幡厚生病院
2若久病院
3現・廿日市野村病院
4現・通谷メンタルクリニック
1Yahata Kosei Hospital, Kitakyushu, Japan
2Wakahisa Hospital
3Hatsukaichi Nomura Hospital
4Tooritani Mental Clinic
キーワード:
Monozygotic twins
,
Schizophrenia
,
Adoption
,
Genetics
,
Family environment
Keyword:
Monozygotic twins
,
Schizophrenia
,
Adoption
,
Genetics
,
Family environment
pp.33-39
発行日 2009年1月15日
Published Date 2009/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101346
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抄録
一卵性双生児の一方は生後すぐに養子に出され,19歳まで全く別々に育てられた統合失調症完全一致の姉妹例を報告した。前駆症状はともに17歳時気分高揚に続く抑うつ感であった。発症時期も同じく19歳頃で,姉は抑うつ気分,集中力困難,幻聴や独言であり,妹は抑うつ気分,倦怠感,意欲低下や離人感を呈した。その後の長い経過で双方の主症状は幻聴と独言になり,薬物療法に反応しにくかった。また姉は抜毛癖,妹には確認行為など強迫症状を共有していた。思考障害は妹にみられ,家族内のコミュニケーションのあり方が関与していると思われた。統合失調症の早期治療の可能性も含めて,病態に関与する遺伝と環境の相互作用について論じた。
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