Japanese
English
特集 躁うつ病の生物学
うつ病の動物モデル
Experimental Animal Model of Depressive Psychosis
鳩谷 龍
1
Noboru Hatotani
1
1三重大学医学部精神神経科
1Dept. of Neuro-psychiatry, Mie Univ. School of Medicine
pp.1321-1331
発行日 1980年12月15日
Published Date 1980/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203193
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
成熟雌ラットを長期反覆ストレスに曝すとその中にストレスによる直接の疲労から脱しているにもかかわらず,なお長期間持続的に発情周期の喪失を伴う寡動状態を示すものが見られた。このラットは抗うつ剤あるいはESTによりその自発性と発情周期を回復するのでこの状態をうつ病モデルとし,その脳内アミンについて螢光組織化学的検討を行った。その結果,①青斑核をはじめとする上行性NA作動系の細胞体のNA螢光は著明な増加を示し,かつその視床下部神経終末のNA代謝回転は低下していた。②一方視床下部—隆起漏斗DA作動系は細胞体および神経終末ともにDA螢光は減弱していた。③同様の所見はストレス直後のラットにも認められたが,回復ラットでは対照ラットとの間に差を認められなかった。
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.