Japanese
English
研究と報告
Cotard症候群の1例
A Case of Cotard's Syndrome
中山 宏
1
,
伊勢田 堯
2
Hiroshi Nakayama
1
,
Takashi Iseda
2
1筑波大学臨床医学系精神医学
2群馬大学医学部精神神経科
1Dept. of Psychiatry, Faculty of Clinical Med., The Univ. of Tsukuba
2Dept. of Neuropsychiatry, Gunma Univ. School of Med.
キーワード:
Cotard syndrome
,
Nihilistic idea
,
Delusion of negation
Keyword:
Cotard syndrome
,
Nihilistic idea
,
Delusion of negation
pp.865-869
発行日 1980年8月15日
Published Date 1980/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203140
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抄録 ほぼ典型的なCotard症候群の1例を報告した。症例は初老期の主婦で,子供の死亡を契機として心気症,離人症,体感異常から不死妄想,否定妄想などへと多彩な精神症状を示し,数回の自殺を図ったものである。本症例はうつ病圏内のものが最も疑われるが,あらゆる治療に対して抵抗性を示し,発病以来約20年間慢性遷延性の経過をたどっている。注目すべき症状として「自分が見たものはそのままでいつまでも変らない」という不変妄想とでもいえるものがみられたことである。又,CTスキャンで大脳基底核に石灰化が認められた。本症についての診断的位置づけ,地域差,時代的変遷,治療に対する抵抗性などについても論及した。
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