Japanese
English
研究と報告
せん妄状態を呈した洋種チョウセンアサガオによる食中毒の集団発生例
Group Poisoning of Datura Tatula, Report of 8 Cases Showing Delirious State
伊勢田 堯
1
,
伊勢田 成子
2
Takashi Iseda
1
,
Nariko Iseda
2
1群馬大学医学部神経精神医学教室
2利根中央病院神経科
1Dept. of Neuropsychiatry, Gunma Univ. School of Med.
2Dept. of Psychiatry, Tone Chuo Hospital
pp.627-634
発行日 1973年6月15日
Published Date 1973/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202034
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(1)洋種チョウセンアサガオ(またはその変種)をゴボウと間違えて作った"キンピラゴボウ"による食中毒の集団発生を経験した。
(2)食中毒は,アトロピンおよびスコポラミンを主とするbelladonnaアルカロイドによるものである。
(3)経過は,初期の自律神経失調症状から極期のせん妄状期に移行し,段階的に回復した。初期は,主にスコポラミンが中枢神経系に対して鎮静的に作用し極期は主にアトロピンが興奮的に作用したものと推定される。
(4)重症度は,ほぼ摂取量に平行した。
(5)8例中6例に作業せん妄がみられた。作業せん妄のみられない2例は少量摂取者だった。
(6)錯覚が多く,幻視は幻想的なものではなかった。
(7)脳波は,覚醒水準の上昇を思わせた。
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