Japanese
English
研究と報告
内因性精神病と主要組織適合抗原
Endogenous Psychosis and Human Leucocyte Antigen
宮永 和夫
1
Kazuo Miyanaga
1
1群馬大学医学部精神神経学教室
1Department of Neuropsychiatry, School of Medicine, Gunma University
pp.859-865
発行日 1979年8月15日
Published Date 1979/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202973
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I.はじめに
現在まで,内因性精神病(以下精神病と略す)の成因1,9)について数多くの仮説が提示されているが,明確な答は出されていない。ここに述べる主要組織適合抗原(HLAと略す)は,主として,移植免疫学の分野で研究発展をとげ2),現在では難病をはじめとする種々の疾病への関連性が明らかにされてきたものである。
精神病とHLAの関連性については,すでに1974年のCazzulloら12)以来,いくつかの報告が行なわれているが,現在のところ,抗原性の相違があり,未だ完全な一致をみるに至っていない。
一方,今日まで日本人において,HLAと精神病との関連性の有無を論じた報告はない。われわれは,現在までの諸外国の報告と自験例を比較検討しながら,精神病の免疫説および,HLA抗原の存在する第6染色体上の精神病発症の誘発または抑制遺伝子の存在可能性を提示したいと思う。
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