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特集 在宅精神医療(2)—社会復帰活動とその周辺
一民間機関における精神衛生活動—やどかりの里の経過と現状
The Activity of Mental Health in a Private Institution: History and Present State of YADOKARI NO SATO
谷中 輝雄
1
,
田口 義子
1
,
荒田 稔
1
,
高畑 隆
1
,
北村 早穂
1
Teruo Yanaka
1
,
Yoshiko Taguchi
1
,
Minoru Arata
1
,
Takashi Takahata
1
,
Saho Kitamura
1
1社団法人やどかりの里
1YADOKARI NO SATO
pp.861-867
発行日 1977年8月15日
Published Date 1977/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202651
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I.はじめに
やどかりの里を語るのにはいくつかの困難さを感じる。一つはめまぐるしいほどにあり方が変化してきたことである。二つには“いわゆる社会復帰施設”としてだけでは言いつくせないものがある。しかし,これら一連の流れの中に一つの特徴をとらえることができる。すなわち,一民間機関であったということである。それ故に,その時々の問題や状況の対応において,機関のあり方が流動性,柔軟性を持っていたことである。専従会員(スタッフ)が軸になり意見をまとめたり,方向性を見出す役割を持っていたにしろ,会員全体の共働作業によって作りあげてきた作品ともいえる。したがって,その歩みも「医療」から「福祉」を主張し,「福祉」から「市民」として,ごくあたりまえの社会生活を求めるといったように変化してきている。この変化には,埼玉県での精神科医療状況とも深くかかわりを持っている。発足当時(昭和45年),「中間施設」についての問題が提起されていた時でもあり,これらとも深く関係していると考えられる。いずれにせよ,今日に至るまで模倣するものすらなく現実の様々な要請に対応してきたのが実情である。
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