病院精神医療の展開
精神病棟に望む—「やどかりの里」から
谷中 輝雄
1
1やどかりの里
pp.792-795
発行日 1981年9月1日
Published Date 1981/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207567
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「病院」編集室より表紙の写真に「やどかりの里」の活動を取材したいとの申し入れがあった.爽風会(社会復帰準備中のグループ)と朋友(とも)の会(回復者グループ)に諮った結果,キャンプを取材してもらったらよいと決まった.更に,写真をのせただけではなんのことだか分からないだろうから「精神病院に望むこと」と題して自分たちの日ごろ思っていることを語ろうではないかと決定した.そこで,筆者がそのとりまとめをすることで,ここに筆をとった次第である.
「やどかりの里」では今までにいくつかの取材をめぐって,様々な出来事があった.活動の初期のころ,毎日新聞の埼玉版に写真入りで,活動が紹介された.一人一人の顔は知った人がよく見れば分かる程度のものであり,さほど問題にはならなかった.昭和49年ころ朝日新聞の取材を受け入れた,全国版でやどかりの里の活動を紹介したものであった.指定された日の新聞を手にして,別の施設の紹介になっていたので驚いたことがある.後日,記者からは外部からクレームがついたので取りやめにしたと聞かされた.時の「爽風会」の全員が了承したものの,メンバーの家族の了承をとりつけてはいなかった.たぶんメンバーの家族からクレームが直接朝日新聞社にいったのではないかと我々は考えた.これは憶測でありその真意は分からない.
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