Japanese
English
特集 在宅精神医療(2)—社会復帰活動とその周辺
病院外における精神障害者社会復帰活動の現況—全国調査(1976)をふまえて
Present Status of Rehabilitation Activities of the Psychiatric Out-Patients: Based on the National Survey of 1976
佐々木 雄司
1,3
,
関根 和夫
1,4
,
佐藤 三四郎
1
,
谷中 輝雄
2
,
田口 義子
2
,
荒田 稔
2
,
高畑 隆
2
,
北村 早穂
2
Yuji Sasaki
1,3
,
Kazuo Sekine
1,4
,
Sanshiro Sato
1
,
Teruo Yanaka
2
,
Yoshiko Taguchi
2
,
Minoru Arata
2
,
Takashi Takabatake
2
,
Saho Kitamura
2
1埼玉県精神衛生センター
2社団法人やどかりの里
3現所属:琉球大学保健学部精神衛生学教室
4現所属:埼玉県川越児童相談所
1Saitama Mental Health Center
2YADOKARI NO SATO
pp.776-783
発行日 1977年8月15日
Published Date 1977/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202641
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.はじめに
精神障害者にとっての社会復帰活動の必要性が叫ばれて,すでにかなりの年月が過ぎた。またそのあり方をめぐって,いくつかの議論が生まれた。これらの動きの中に「病院医療から地域医療へ」向かう大きな流れを見出すことができる。しかし地域における精神障害者の処遇の具体的方向については,われわれ第一線スタッフ自身にとっても,国や都道府県にとっても,いまだ暗中模索の点が多い。そこでわれわれは,まず地域における社会復帰活動の全国規模での実態の把握が必要と考え,この調査を実施した。
調査対象は精神障害者(精神薄弱者,アルコール・薬物中毒者を除く)の病院外における社会復帰活動に限定した。
調査はおよそ次の方法によった。まず各都道府県の精神衛生センター・相談所に対して,また未設置の府県では情報に詳しいとみられる医療従事者に対して,各都道府県での活動についてのアンケート調査を行なった。次にその中で興味深い活動や回答の得られなかった府県などで,必要と感じられた活動に対しては,われわれが直接赴いたり,電話したりして具体的な実情を把握した。以上によって得られた情報に,各精神衛生センター所報などによる資料を補足した。結果的には全都道府県からの資料が得られ,部分的には調査もれや不正確な点もあろうが,一応全国状況を把握できたと考えられる。なおこの調査は昭和51年4月1日現在行なわれている活動によって把握した。
本調査を通じ,社会復帰活動が実に多様であることを再認識させられた。以下4つの視点(Ⅱ〜Ⅴ)からの検討を試みた。
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.