活動レポート
ネットワークづくり—「やどかりの里」における支え合いの活動
谷中 輝雄
1
Teruo YANAKA
1
1社団法人やどかりの里
pp.137-141
発行日 1993年2月15日
Published Date 1993/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900750
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●はじめに
本来,人は人と人との間の関係性の中で生きており,特に様々な危機に際しては,人と人との絆によって危機を乗りこえてきた.日常生活でも人と人との間におけるネットワークによって支え,支えられてきているのである.しかし,それらはあまりにも日常的であり,あたりまえであるために支え合いのネットワークはその大切さや必要性が感じられなかった.私は人と人との絆がどれほど必要で大切なものかを精神分裂病者とのかかわりの中で考えさせられた.やどかりの里の活動の中では発病,長期入院の中で,人と人とのロープが断ち切られ,あるいは自らロープを切るといったことで自閉的世界にいる人たちに対し,人と人とのネットワークの中で自閉よりの脱出を試みてきた.あらためてネットワークづくりの大切さを考えさせられている.そこで,ここでは「やどかりの里」におけるネットワークづくりについて述べることとする.
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