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特集 近代日本の宗教と精神医学
宗教的危機と神経症—カトリック医の立場から
A Relation between Catholicism and Neurosis
柴田 出
1
Izuru Shibata
1
1柴田クリニック
1Shibata Mental Clinic
pp.1301-1308
発行日 1976年12月15日
Published Date 1976/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202564
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I.はじめに
現代は宗教的な危機状況にあると容易に口にされるが,この危機状況は,いろいろな意味に理解される。
1つは,この不安定な世相にうまく便乗してはびこった怪しげな新興宗教?の人に与える悪影響を指摘する者もいるだろう。また,世俗主義の精神が,教会や寺院の中にまで浸透し,信仰の荒廃,脱宗教傾向を招いてきていることを宗教的危機と指摘する者もいるだろう。宗教家の立場からいえば,この信仰の荒廃が,ひいては信者の獲得が得られにくい結果になったことを,宗教的危機というかもしれない。
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