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特集 近代日本の宗教と精神医学
精神医学と宗教との関連について—特に現代日本人の無宗教性の中に現れた宗教性を問題として
A Consideration of Psychotherapy and Religion: Some religious problems in the contemporary non-religiousity in Japan
樋口 和彦
1
Kazuhiko Higuchi
1
1同志社大学神学部
1Dept. of Theology, School of Theology, Doshisha University
pp.1240-1245
発行日 1976年12月15日
Published Date 1976/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202557
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I.はじめに
精神医学と宗教という共に長い歴史と厖大な固有の領域をもつ両者の関連を論述することは,一平凡人の能力を超えることであろう。しかしながら,許されるなら,この両者の時に密着し,時に分離する関係の中で,特に戦後30年の日本社会において両者がどのように関連しあっているか,宗教の世界にいて,深層心理学に興味をもつものの目にどのように映るかをみてみたい。
もとより宗教も西欧の宗教あり,東洋のものもあり,形式・内容共に千差万別である。何をもって宗教というかということからして問題である。精神医学にしても同様であって,厳密に規定すれば,全く不可能になってしまう。
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