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研究と報告
農村地域における最近の神経症について—長野県佐久地方から,第1報
Clinical and Statistical Study on Recent Neurotic Patients in Saku District of Nagano Prefecture (Part 1)
神岡 芳雄
1
,
堀口 佳男
1
,
高橋 滋
2
Yoshio Kamioka
1
,
Yoshio Horiguchi
1
,
Shigeru Takahashi
2
1佐久総合病院精神神経科
2群馬大学医学部精神神経科
1Dept. of Neuropsychiatry, Saku Central Hospital
2Dept. of Neuropsychiatry, Gunma Univ. School of Medicine
pp.163-171
発行日 1975年2月15日
Published Date 1975/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202278
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I.はじめに
農村における総合病院精神神経科の機能は,都市におけるそれ1〜3)と共通する実態をもちながら,しかも一方では,地域との結びつき4〜8)も,重視されねばならないところに特殊性があろう。
戦後のわが国農村の大きな社会変貌9)は,農地改革,つづく町村合併から,経済成長期に入っての住居の都市化,農家の兼業化,山村の過疎化,農薬公害10)などであり,長野県佐久地方もあるていどこの例にもれない。
精神障害とくに神経症は,社会文化的背景と密接な関連性をもって,発現することは周知のことである。われわれは,日常の診療を積み重ねながら,昨今,農村においても,入院患者の家庭復帰の困難性が増し,また,外来診療における神経症の増加傾向を体験している。
この報告は,最近10年間に診療した神経症患者について,臨床統計的概括を試みたものであり,今回は,主として概括的成績と,症状類型についての考察を行った。
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