Japanese
English
研究と報告
産褥期うつ病の臨床的研究
Clinical Study of Puerperal Depression
高橋 滋
1
,
川原 伸夫
1
,
宮永 和夫
1
,
狩野 正之
2
,
西村 信一
2
,
神岡 芳雄
2
Shigeru Takahashi
1
,
Nobuo Kawahara
1
,
Kazuo Miyanaga
1
,
Masayuki Kano
2
,
Shinichi Nishimura
2
,
Yoshio Kamioka
2
1群馬大学医学部神経精神医学教室
2佐久総合病院神経科
1Department of Neuropsychiatry, Gunma University School of Medicine
2Department of Neurology, Saku General Hospital
キーワード:
Puerperal depression
,
Obstetrical complication
,
Life events
Keyword:
Puerperal depression
,
Obstetrical complication
,
Life events
pp.1247-1253
発行日 1985年11月15日
Published Date 1985/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204034
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抄録 分娩後6カ月以内に発症した産褥期うつ病30例を臨床的に検討した。分娩時年齢は平均28.5歳であった。分娩回数は初産が60.O%を占めた。妊娠時障害は13.3%,分娩時障害は23.3%,新生児障害は23.3%であったが,いずれもその出現率において,年齢相応の正常対照群との間に有意な差を認めなかった。精神症状では,抑うつ気分,行為制止に加えて睡眠障害,不安・焦燥,罪責念慮が主症状であった。病前性格は執着気質が80.0%で最も多く,遺伝負因を30.0%に認めた。再発は37.0%にみられ,そのうち6年以上経過したものでは69.2%に再発を認めた。また再出産したものは3例であるが,全例に再発をみた。産科的障害の他に生活上の事件や育児不安など何らかの状況因子を認めたものは73.3%であった。
産褥期うつ病の発症には,病前性格および状況因子が関与していることを指摘した。
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