Japanese
English
研究と報告
精神分裂病様症状を呈したMarfan症候群の1例
A Case of Marfan Syndrome with Schizophrenia-like Psychosis
高橋 滋
1
,
相原 芳昭
1
,
神岡 芳雄
2
,
堀口 佳男
2
Shigeru Takahashi
1
,
Yoshiaki Aihara
1
,
Yoshio Kamioka
2
,
Yoshio Horiguchi
2
1群馬大学医学部神経精神医学教室
2佐久総合病院神経科
1Dept. of Neuropsychiatry, Gunma University School of Medicine
2Dept. of Neurology, Saku General Hospital
pp.1357-1362
発行日 1979年12月15日
Published Date 1979/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203035
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I.はじめに
Marfan症候群はクモ状指趾と同時に眼,骨格系,心臓血管系などの中胚葉組織に奇型を来す遺伝性疾患であるが,その成因については諸説があり一定の結論に達していない。
Weve1)はこの症候群が中胚葉系諸器官の先天性系統的発育障害に起因するもので優性遺伝をなすことを指摘し,Dystrophia mesodermalis congenita, Typus Marfanisと名付けた。
本症候群に内分泌系2〜4),呼吸器系5,6)などの全身にわたる多彩な症状を合併する例が報告されている。精神・神経症状を呈することはまれで,精神分裂病様症状を示した例は杉本ら7),兼重ら8),上野ら9)の報告があるにすぎない。
著者らは幻覚妄想,緊張病性昏迷,興奮状態等の精神症状を示し遺伝関係を認めた症例を経験したので,精神症状とMarfan症候群との関連について検討し報告する。
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