連載 アーキテクチャー×マネジメント・7
JA長野厚生連 佐久総合病院 佐久医療センター
近藤 彰宏
1
1株式会社日建設計
pp.460-465
発行日 2015年7月1日
Published Date 2015/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209880
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
■佐久総合病院の病院再構築計画
日本の農村医療の草分けとして知られる佐久総合病院は,「いつでも,どこでも,誰でも必要なときに必要な医療サービスが受けられる」ことを目標に医療を行ってきた.故・若月俊一先生が用いた「二足のわらじ」の言葉に表されるように,第一線の医療から専門医療まで包括的に担ってきた.しかし,医療の高度化,専門分化と診療圏拡大化の流れの中で,より広域に従来どおりの医療を提供することは不可能になってきた.そこで,地域の医師会の先生方や他の医療機関の協力を得ながら,地域全体で「二足のわらじ」を履き,医療の提供が滞らないことが今回の再構築の骨子である.
「病院完結型医療体制」から多施設連携による「地域完結型医療体制」への転換を目指す大きな枠組みの中で,一般医療・地域医療を担う佐久総合病院本院(以下,本院)と高度専門医療・救急医療を担う佐久医療センターに分割するという,前例のない病院再構築計画が立案された(図1).
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.