Japanese
English
研究と報告
特異な精神症状を呈したMarfan症候群の2例
Two Cases of Marfan Syndrome with Psychiatric Symptoms
上野 武治
1
,
高橋 三郎
1
,
原岡 陽一
2
,
塚本 隆三
2
,
大宮司 信
2
,
伊藤 直樹
2
Takeji Ueno
1
,
Saburo Takahashi
1
,
Yoichi Haraoka
2
,
Ryuzo Tsukamoto
2
,
Makoto Daiguji
2
,
Naoki Ito
2
1北海道大学医学部精神科神経科
2旭川市立病院精神科
1Dept. of Psychiat. and Neurol., Hokkaido Univ. School of Med.
2Dept. of Psychiat., Asahikawa Municipal Hospital
pp.879-886
発行日 1974年10月15日
Published Date 1974/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202230
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I.緒言
Marfan症候群は,骨格系,眼,心臓血管系などの中胚葉性組織に遺伝性の発育異常をきたす疾患として従来から知られているが,さらに内分泌系,泌尿器系,呼吸器系などにも異常をもたらし,全身にきわめて多彩な症状を呈することがしだいに明らかになってきている。
しかし,精神・神経学の領域では,精神薄弱やてんかんをもたらす症例が主に報告されているが,それも少なく,また他の精神症状を呈する症例もきわめて稀であり,このためMarfan症候群において精神・神経症状を呈することは比較的少ないといわれている。
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