Japanese
English
研究と報告
多飲により水中毒を起こした躁うつ病の1症例
A Case of Self-induced Water Intoxication due to Compulsive Water Drinking associated with Manic-depressive Psychosis
大宮司 信
1
,
塚本 隆三
2
,
伊藤 直樹
2
,
原岡 陽一
2
Makoto Daiguji
1
,
Ryuzo Tsukamoto
2
,
Naoki Ito
2
,
Yoichi Haraoka
2
1北海道大学医学部精神医学教室
2市立旭川病院精神神経科
1Dept. of Psychiatry and Neurology, Hokkaido University, School of Medicine
2Dept. of Psychiatry and Neurology, Asahigawa City Hospital
pp.947-952
発行日 1975年9月15日
Published Date 1975/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202369
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I.はじめに
心因性に多飲,多尿を呈する状態は「心因性多飲症(Psychogenic polydipsia)」の名称でよく知られている。症例のなかにはかなり大量の水分を摂取する場合もあるが,急激で大量の水分摂取は悪心,嘔吐をはじめとする不快な症状をもたらすため,ほとんどがこうした症状の出現まででやめてしまい,さらに進んで水中毒に至るまで摂取しつづけることはまれである。最近われわれは精神症状の増悪から過度の飲水をし,ついには水中毒の症状を呈するに至った躁うつ病の1症例を経験し,種々の検索を行い得たので,若干の考察を加えてここに報告する。
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