Japanese
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資料
精神科思春期外来診療上の問題点
Problems on the Out-patient Adolescent Clinic in Psychiatry
清水 将之
1
,
北村 陽英
1
,
西口 俊樹
1
,
辻 悟
1
,
藤本 淳三
2
,
和田 慶治
2
,
吉田 脩二
2
Masayuki Shimizu
1
,
Akihide Kitamura
1
,
Toshiki Nishiguchi
1
,
Satoru Tsuji
1
,
Junzo Fujimoto
2
,
Keiji Wada
2
,
Shuzi Yoshida
2
1大阪大学医学部精神医学教室
2大阪府立中宮病院
1Dept. of Psychiatry, Osaka Univ. Med. School
2Nakamiya Prefectural Hospital
pp.425-431
発行日 1974年4月15日
Published Date 1974/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202172
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I.はじめに
思春期精神医学という表現がわれわれの眼に留まるようになってから,まだ十数年しか経過していない。この領域の論文は国の内外ともにかなり発表されるようになってきてはいるが,これはいまだ精神医学における一つの実践および研究の領域として確立するには至っていないと思われる。Keyserlingk, H. V. 5)は,児童精神医学が当初は成人精神医学の観点より扱われ,「子どもは小さなおとなと見られていた」と語っている。これと同様のことが,思春期青年に対する精神医学的アプローチにおいても,いまだに認められる。思春期として概括されている年代の患者は,おそらくは,児童期の延長として児童精神科医により,あるいは,成人予備軍として成人患者とともに扱われているのが現状ではなかろうか。たとえば,東京大学精神科8),京都大学精神科9),大阪日赤病院精神科4)では,児童クリニック対象患者の上限を15歳としている。しかし,われわれの臨床経験では,12〜13歳ごろに精神発達史上の一転換期があるように考えられる。
思春期という用語が何歳から何歳までを指すかについては多くの意見があり,定説はない7)。しかし,とくに第二次世界大戦後,多くの領域において思春期に関する研究が発展したことにより,おおよそ十代の一時期が,児童期にも含め難く,さりとて成人として遇するにも問題の多すぎる,独立した心身発達史上の一時期であることが,しだいに明らかになってきている。
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