臨床医のプライマリ・ケア 婦人科疾患と新しい診療術
小児・思春期婦人科外来にみられる問題点
矢内原 巧
1
,
河合 清文
1
,
大野 秀夫
1
,
東郷 実昌
1
,
荒木 日出之助
1
,
中山 徹也
1
Takumi Yanaihara
1
1昭和大学医学部産科婦人科学教室
pp.603-607
発行日 1982年8月10日
Published Date 1982/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206667
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思春期医学に対する関心が近年たかまって来ていると同時に小児・思春期外来の設置を要望する声も多い。その背景には性の早熟化傾向や性非行,若年妊娠等の社会的問題のみならず,内分泌学的変化を中心とする性成熟をめぐる機構が徐々に明らかにされ,生殖生理学の基点にある思春期を成熟期,更年期と並んで産婦人科診療の課題の一つとして重視されてきたことにある。思春期はいわば人生の妊孕を目的とした生殖生理の準備段階であり,身体発育とともに正しい機能的成熟が将来の健全な個体に通ずることは論をまたない。従って思春期における疾患のプライマリ・ケアもまた産婦人科領域において極めて重要な役割を果たすことになろう。本稿では小児思春期に特有な疾患を通して小児・思春期外来の問題点をあげ,その背景因子とともに対策について考えてみたい。
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