Japanese
English
研究と報告
新しいBenzodiazepine系薬物D-58 S1の睡眠への影響について
The Effects of D-58 S1 (New Benzodiazepine Drug) for Sleep
功刀 弘
1
,
矢吹 篤
1
,
星 昭輝
1
,
木村 聰
1
,
石田 哲浩
1
,
原 俊夫
1
Hiroshi Kunugi
1
,
Atsushi Yabuki
1
,
Akiteru Hoshi
1
,
Satoshi Kimura
1
,
Tetsuhiro Ishida
1
,
Toshio Hara
1
1慶応義塾大学医学部精神神経科教室
1Dept. of Neuropsychiat., Keio Univ. School of Med.
pp.619-624
発行日 1971年6月15日
Published Date 1971/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201767
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I.はじめに
Chlordiazepoxide,diazepamおよびnitrazepamなどのbenzodiazepine誘導体は精神安定剤として,また睡眠導入剤として,最近ますます多用される傾向にある。そのすぐれた精神安定作用はこれらの薬剤の評価を一応不動のものとしたように思われるが,これらの薬剤の使用方法は必ずしも単純ではない。われわれは武田薬品工業で開発した新しいbenzodiazepine誘導体であるD-58S1の臨床上の薬効について,検定を行なう機会をえたので,その睡眠におよぼす影響を中心に終夜睡眠脳波を応用してその薬効を検討した。われわれ6)は,脳波上の睡眠パタンでいわれている深睡眠相(第4相)と精神機能との関係について検討してきているが,本報告でもこの点にとくに注目した。今回の報告は例数も少なく,統計処理による検定は行なわなかったが,終夜脳波の応用による薬効検定の一つの新しい試みを紹介するとともにbenzodiazepine誘導体の薬効の一つの傾向を指摘し,これらの薬物の興味ある作用について論ずるつもりである。
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