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私のカルテから
Benzodiazepine系薬物により奇異反応を呈したうつ病の1例
A Case of Depression with Paradoxical Reactions to Benzodiazepines
武田 隆綱
1
Takatsuna TAKEDA
1
1武田メンタルクリニック
1Takeda Mental Clinic
キーワード:
Benzodiazepine
,
Paradoxical reactions
,
Depression
,
Etizolam
,
Triazolam
Keyword:
Benzodiazepine
,
Paradoxical reactions
,
Depression
,
Etizolam
,
Triazolam
pp.1257-1259
発行日 2012年12月15日
Published Date 2012/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405102341
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はじめに
Benzodiazepine系薬物(以下BZ系薬物と略す)は,抗不安作用,鎮静・催眠作用,抗けいれん作用および筋弛緩作用を持つ臨床的に有用な薬物で,不安障害,睡眠障害だけでなく,多くの精神疾患の治療に用いられている。BZ系薬物の奇異反応とは,薬物の効果として期待される作用とは反対の反応を言い,具体的には,不安,焦燥,気分易変性,攻撃性,敵意,興奮,幻覚,妄想などを呈することである2)。筆者は,clonazepam,nitrazepam,lorazepam投与中には問題なかったが,etizolamおよびtriazolamの追加投与により奇異反応を呈したうつ病の1例を経験したので報告し,考察を加える。なお,報告にあたって患者に口頭で説明し,同意を得ている。また患者が特定されないようにするため,文脈を損なわない範囲内で一部改変して記載している。
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