Japanese
English
展望
Butyrophenone系薬剤の歴史と展望
Historic Background and Recent Status of Butyrophenone Derivatives
原 俊夫
1
Toshio Hara
1
1慶応義塾大学医学部神経科教室
1Dept. of Neuropsychiat., Keio Univ., School of Med.
pp.549-563
発行日 1967年8月15日
Published Date 1967/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201227
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.はじめに
精神疾患の治療がphenothiazine系薬剤にはじまる向精神薬の導入によつて大きな変革をとげたことは,疑う余地のないところである。そして,reserpineをprototypeとするrauwolfia-alkaloid,chlorprothixeneを主とするthioxanthene誘導体ならびにtetrabenazineを主にするbenzoquinolizine誘導体などが相ついで出現し,抗うつ剤や緩和精神安定剤にも優秀なものがあらわれてきた。しかし,強力精神安定剤(major tranquilizer)あるいは神経転轍剤***(neuroleptica)としては,chlorpromazineをprototypeとするphenothiazine誘導体が1960年までの主役であつた。
ところが,phenothiazine,reserpineについで,neurolepticaの第3の系ともいうべきbutyrophenone系薬剤が1958年ころより欧州をはじめとして各国で使用されるようになり,その臨床的価値が本邦においても認められはじめてきた。
Copyright © 1967, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.