Japanese
English
研究と報告
向精神薬治療下における精神分裂病の欠陥像について
Research on Defect State of Schizophrenic Patient under Controlled with Psychodrugs
佐野 新
1
,
小松 馨
1
,
安藤 元
1
,
波多腰 彪三
1
,
大河内 恒
2
,
金久保 満雄
3
Arata Sano
1
,
Kaoru Komatsu
1
,
Hazime Ando
1
,
Hyozo Hatagoshi
1
,
Tsune Okochi
2
,
Mitsuo Kanekubo
3
1東京慈恵会医科大学精神神経科学教室
2小金井病院
3佐野神経科
1Dept. of Neurol. & Psychiat., Jikei Univ. School of Med.
2Koganei Hospital
3Sano Clinic
pp.943-947
発行日 1970年11月15日
Published Date 1970/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201677
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向精神薬治療下の精神分裂病患者の欠陥像を2回にわたって観察した。
向精神薬治療が発見される前の欠陥像と比較して,緊張型,妄想型が減少して破瓜型,混合型が非常に多くなっている。さらに細かく分類すると,破瓜型のなかの凝講型と歪曲型が減少し,空漠型が60%をしめている。また,混合型のなかでは断絶型,妄想・破瓜型が少なくなり,単純低下型が多くなっている。
以上の結果は,向精神薬治療によって際だった陽性症状がおさえられ,平坦化された状態が作りだされるが,精神分裂病の基本的な症状は固定されたまま残っていることを示している。
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