Japanese
English
研究と報告
精神分裂病の「再発」に関する一実態調査
A Survey on the Recurrence of Schizophrenia
大熊 輝雄
1
,
福間 悦夫
1
,
梅沢 要一
1
,
更井 啓介
1
,
小椋 力
1
,
竹尾 生気
1
,
内田 又功
1
,
下山 尚子
1
,
角南 譲
1
,
中尾 武久
1
,
本池 光雄
1
,
松下 棟治
1
,
藤井 省三
1
,
柏木 徹
1
,
川原 隆造
1
,
宮本 慶一
1
,
幡 碩之
1
,
岸本 朗
1
,
小倉 淳
2
Teruo Okuma
1
,
Etsuo Fukuma
1
,
Yoichi Umezawa
1
,
Keisuke Sarai
1
,
Chikara Ogura
1
,
Seiki Takeo
1
,
Yasunori Uchida
1
,
Naoko Shimoyarna
1
,
Yuzuru Sunami
1
,
Takehisa Nakao
1
,
Mitsuo Motoike
1
,
Toji Matsushita
1
,
Shozo Fujii
1
,
Toru Kashiwagi
1
,
Ryuzo Kawahara
1
,
Keiichi Miyamoto
1
,
Hiroyuki Hata
1
,
Akira Kishimoto
1
,
Atsushi Ogura
2
1鳥取大学医学部神経精神科学教室
2倉吉病院
1Dept. of Psychiatry, Tottori Univ. School of Med.
2Kurayoshi Hospital
pp.949-958
発行日 1970年11月15日
Published Date 1970/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201678
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I.はじめに
精神分裂病の治療は,1930〜1940年代における各種衝撃療法の発達,さらに1950〜1960年代にかけての薬物療法の発展により,近年いちじるしい進歩をとげてきている。ことに最近の薬物療法の発達は,精神分裂病(以下分裂病とよぶ)の完全寛解率の上昇をもたらすとはいえないにしても,従来は社会復帰が不可能であった種類の患者の社会復帰率をかなり上昇させている。とくに薬物療法による精神状態の改善により,作業療法,精神療法などの積極的施行が可能となったことも,薬物療法の効用のひとつとして高く評価されている。
しかし一方では,分裂病者に症状の再燃あるいは「再発」がかなり高率にみられることも事実である。すなわち,薬物療法その他の治療によっていったん寛解状態に達した患者のかなりの部分が,比較的短期間のうちに再発を示すことが最近注目されている。
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