Japanese
English
研究と報告
不就学・在宅自閉症児についての家庭訪問調査
A Research by Home Visits on the Actual Conditions of the Autistic Children Nonentering School and Being at Home
若林 慎一郎
1
,
大井 正己
1
,
金子 寿子
1
,
河合 知子
1
,
石井 高明
2
,
伊藤 忍
3
Shinichiro Wakabayashi
1
,
Masami Ohi
1
,
Toshiko Kaneko
1
,
Tomoko Kawai
1
,
Takaaki Ishii
2
,
Shinobu Ito
3
1名古屋大学医学部精神医学教室
2愛知県心障者コロニー
3愛知県城山精神衛生相談所
1Dept. of Psychiat., Nagoya Univ. School of Med.
2Aichi Prefectural Colony
3Aichi-Shiroyama Mental Hygiene Clinic
pp.749-755
発行日 1970年9月15日
Published Date 1970/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201655
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Ⅰ.緒言
われわれが,十数年来,観察・治療を行なってきた自閉症児たちのなかには,小学校就学年齢に達したものも多く,自閉症児の学校教育の問題が親の会や教育関係機関などでも問題とされている1)〜4)。
われわれは,昭和43年4月に就学年齢に達した自閉症児について,その就学状況について質問紙による調査を行なった1)。そのさい,就学年齢を過ぎても就学できずに,幼稚園その他通園施設にも通っておらず,入院または施設にも入所せず,家庭にいるものが約39%みられた。児童福祉や教育,児童精神科医療などからはみ出しているこれらの児童については,早急にその対策が講ぜられなければならないにもかかわらず,現実には,これらの子供達がどのような状態におかれているのか,またその親や家族たちが当面している困難度や子供に対する処置の緊急性の実情については,十分な実態が明らかにされていないように思われる。
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