Japanese
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研究と報告
森田療法における「とらわれ」と治療の「場」について
Toraware (neurotic preoccupation) and Therapeutic Situation in Morita Psychotherapy
内村 英幸
1
Hideyuki Uchimura
1
1国立肥前療養所
1Hizen National Psychiatric Institute
pp.741-748
発行日 1970年9月15日
Published Date 1970/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201654
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I.はじめに
一般病院形態の中で森田療法をおこなおうとしても,森田がおこなったごとき家庭的な治療の「場」を形成することは困難である。しかし,森田療法を単に形式的におこなって,治療効果があがるのかということは大きな問題である。
わたくしは,原法のごとき治療の「場」をもてない環境で森田療法を試みてきて,治療の過程で挫折することをたびたび経験してきた。しかし,治療に失敗した症例が森田療法の特殊性について明らかな形で問題を投げかけている。これらの症例の分折を通して,「とらわれ」,治療の「場」について再検討し,一般病院形態の中でも可能な森田療法について考えてみたい。このことが森田療法を発展させてゆく一つの方向であるともいえる。
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