Japanese
English
短報
自閉症児に対するHaloperidol少量療法
The Low-Dosage Haloperidol Therapy in the Autistic Children
八島 祐子
1
,
石下 恭子
1
,
星野 仁彦
1
Yuko Yashima
1
,
Kyoko Ishige
1
,
Yoshihiko Hoshino
1
1福島県立医科大学神経精神医学教室
1Dept. of Neuropsychiatry, Fukushima Medical College
pp.908-909
発行日 1978年8月15日
Published Date 1978/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202809
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I.はじめに
Haloperidolは,その使用量の多寡によって,臨床的作用の二面性が認められる特異的な向精神薬である。大量投与(5〜10mg/day)では,強力な静穏作用を示し,一方,少量投与(0.2〜1mg/day)では,不随意運動1〜3),多動症状などに有効である。
筆者らは,多動症状を示す自閉症,および微細脳障害症状群などに対し,haloperidol少量療法が有効であることを経験している6,7)。
今回は,3歳から13歳までの白閉症の男児10例に対し,haloperidol(0.2〜1mg/day)少量療法を3カ月から5年にわたり実施し,好結果を得たので報告する。
自閉症の診断は,Kannerの早期幼児自閉症の診断基準8,9)に従った。投与方法は,0.02〜0.05mg/kgを,朝,夕2回に分服投与した。0.02mg/kgから漸増し,維持量は0.03〜0.04mg/kgとした。平均投与量は0.03mg/kgで,心疾患の既往歴のある例は対象から除外した。維持量を1〜2年間継続投与した後は,1〜2週間の怠薬,あるいは,意図的に1〜2週間の休薬期間をおいても,多動症状の著しい悪化は認められなかった。
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