Japanese
English
研究と報告
学校恐怖症に関する考察
Consideration of School Phobia
有岡 巌
1
,
大海 作夫
1
,
勝山 信房
1
,
南 耀子
1
Iwao Arioka
1
,
Sakuo Oumi
1
,
Nobufusa Katsuyama
1
,
Youko Minami
1
1奈良県立医科大学神経精神科学教室
1Dept. of Neuropsychiat., Nara Medical Univ.
pp.290-294
発行日 1968年4月15日
Published Date 1968/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201316
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Ⅰ.緒言
Johnsonら7)がschool phobiaなるものの概念を設定して以来,この状態についての多くの報告が行なわれてきた。そして,school phobia(学校恐怖症)の同義語として,neurotic school phobia,anxiety-neurosis school phobia,school refusal(登校拒否)およびrefusal to go to schoolなどがみられている。
Johnsonらによれば,school phabiaなるものはつぎのごとく規定される。すなわち,この状態は登校することに関する強い恐れで特色づけられており,そのため数週・数カ月ときには数年もの間学校に行かなくなるものである。そして,さらに,この状態は精神神経症的なものであり,恐怖症的傾向のうえに,さらにヒステリー的または強迫神経症的傾向がoverlapしたものであるとしている。この概念からみると,phobiaなる表現をもちいてはいるものの,その構造は複雑なものと解しうる。さらにHersov5)6)は,school refusalにつき,不安反応・抑うつ反応・ヒステリー反応そしてまた強迫神経症的な障害などの診断的分類を記している。
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