特集 医療危機と精神科医—第6回日本精神病理・精神療法学会 討論集会をめぐって
精神科医にとって精神病理学および精神療法とは何か
森山 公夫
1
,
石川 義博
1
1東京大学医学部精神科医師連合
pp.95-102
発行日 1970年2月15日
Published Date 1970/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201567
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Ⅰ.告発の視点
青医連運動に始まる現在の医療体制変革運動は,その体制を根底から支えていた医局講座制とまずもって正面から衝突し,明治始まって以来のわが国における医育・医学・医療の歪みを,医局講座制との関連において根底から白日のもとにさらけ出した。精神科領域とても例外ではない。
われわれの精神病理・精神療法学会も,医局講座制権力との完全な癒着をとげていたのである。学会の体質とは,その形成を遂行した一部評議員のもつ体質であり,またそれを不満ながらにも許容した全会員のもつ体質でもあった。そして,このような各人の体質は,当然,その各人の構築した精神病理・精神療法学に浸透していたはずである。
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