第6回精神医学懇話会 精神医学における人間学の方法
精神医学における人間学の方法—第6回精神医学懇話会
島崎 敏樹
1
,
笠原 嘉
2
,
三好 郁男
3
,
森山 公夫
4
,
宮本 忠雄
5
,
土居 健郎
6
,
小川 信男
7
,
藤田 千尋
8
,
霜山 徳爾
9
,
佐治 守夫
10
,
金子 嗣郎
11
,
中根 晃
5
,
吉永 五郎
12
,
加藤 清
2
,
村上 仁
2
1東京医科歯科大学
2京都大学精神科
3神戸大学精神神経科
4神経研究所
5東京医科歯科大学神経科
6聖路加国際病院神経科
7足立病院
8慈恵会医科大学神経科
9上智大学文学部
10東京大学教育学部
11東京都立松沢病院
12九州大学神経精神科
pp.24-38
発行日 1968年1月15日
Published Date 1968/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201282
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はじめに
島崎(司会)きようの懇話会のテーマは「精神医学における人間学の方法」です。人間学という言葉には,ある人間くささがあります。この人間くささというものは,1920年代から始まりましたBinswangerの思想の芽生えから,30年代のvon Gebsattel,Straus,Storchを経まして,現代の中堅若手にいたるすべての人びとから立ちのぼつているにおいです。においというものはひとひとに,ある人は好ましいと感じ,ある人にはうとましいと感じられるものです。
好き嫌いというものは物理学にも化学にもあります。私は物理が得意ですとか,化学が不得意ですとかいうことがあります。しかしそういう得手,不得手というものでは,知的な賦与が問題でありまして,自分は人間として物理学が好きであろ,嫌いであるという意味合いはうすいわけです。ましてその学問それ自体に,においがあるというのではありません。まさに人間学はそこが違います。
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