Japanese
English
短報
せん妄状態を呈したヨード中毒の1例
A Case of Iodine Toxicity with Delirium
原 富英
1
,
前田 久雄
1
,
武市 昌士
1
,
上野 哲哉
2
,
伊藤 翼
2
Tomihide Hara
1
,
Hisao Maeda
1
,
Masashi Takeichi
1
,
Tetsuya Ueno
2
,
Tsuyoshi Ito
2
1佐賀医科大学精神医学教室
2佐賀医科大学外科学教室
1Department of Psychiatry, Saga Medical School
2Department of Surgery, Saga Medical School
pp.1125-1126
発行日 1990年10月15日
Published Date 1990/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902930
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I.はじめに
ヨードは,頻用される殺菌,消毒剤であるが,その使用に際して体内に吸収されたヨードにより,皮疹,嘔気,肝及び腎不全等の中毒症状が起こることが知られている6)。また中枢神経障害が生じることもあり,稀にせん妄を来すという報告もある6)。しかし頻用されているにもかかわらず,手術後に術創部に充填されたヨードホルムガーゼから吸収されたヨードによると思われるせん妄を呈した症例の報告はない。今回我々は,コンサルテーション・リエゾンにおけるせん妄の原因の一つとして貴重で示唆に富むヨード中毒例を経験したので,ここに報告する。
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