Japanese
English
特集 心気症をめぐつて
第5回日本精神病理・精神療法学会大会シンポジウムより
主題演者
体臭を訴える患者の疾病学的位置づけと病態の意義
Versuch einer Auslegung von der Weltbezogenheit Eigengeruchskranker: zugleich zur Frage um ihre nosologische Stellung
小谷野 柳子
1
Ryuko Koyano
1
1東京医科歯科大学神経精神医学教室
1Dept. of Neuropsychiat,. Tokyo Medical and Dental Univ., School of Med.
pp.337-341
発行日 1969年5月15日
Published Date 1969/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201469
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.はじめに
自分の体から他人に不快感を与えるにおいが発散するために悩むという症例は,文献上は,Janet, P. の症例の中にもみられ,すでに1932年から1933年にかけて,フランスのDavidson, G. H. やBrill, A. A. などによつても記載されているが,その疾病学的位置づけや,病態の持つ意義についての論議は,最近ようやく盛んになつてきたもののようで,まだ決定的見解をみるに至つていない。
従来なされてきた論議を概観してみると,まず第一に神経症から内因性精神病にわたつてみられる症状であるとする見解がある5)9)。第二に,より神経症的な,あるいは神経質症の範疇に入る一つの単位をなすという見解があり1)3)7)12),第三には,内因性精神障害の症状の一つであるとする見解がある10)。
Copyright © 1969, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.