Japanese
English
特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1992
II 皮膚疾患の病態
体臭の原因物質
Chemical compounds responsible for body odours
福田 實
1
,
八木 栄一郎
1
,
神田 不二宏
2
Minoru FUKUDA
1
,
Eiichiro YAGI
1
,
Fujihiro KANDA
2
1(株)資生堂皮膚科学研究所
2(株)資生堂安全性分析センター
1Shiseido Skin Biology Research Laboratories
2Shiseido Safety & Analytical Research Center
キーワード:
体臭
,
腋下臭
,
足臭
,
イソ吉草酸
,
低級脂肪酸
,
汗の金属量
Keyword:
体臭
,
腋下臭
,
足臭
,
イソ吉草酸
,
低級脂肪酸
,
汗の金属量
pp.76-80
発行日 1992年4月15日
Published Date 1992/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900610
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体臭は発生の部位の違いから,腋臭,足臭,口臭,頭髪臭,陰部臭と呼称,識別されている.腋臭はアポクリン汗腺から分泌された汗がグラム陽性のdiphtheroidsにより分解され,原因物質を産生する.腋下から検出されたandrostenoneとandrostenolあるいは低級脂肪酸が原因物質として疑われている.足臭を持つヒトと持たないヒトの靴下および足抽出物の機器および官能分析により,前者からイソ吉草酸を特徴とする低級脂肪酸が多量に検出されたのに対し,後者からはほとんど検出されず,足臭の原因物質はイソ吉草酸を主とする低級脂肪酸であると考えられた.またエクリン汗の金属量が足臭の強度と反比例し,足臭に不揮発性の脂肪酸金属量の影響が示唆された.腋臭患者の臭い分析で,イソ吉草酸は検出されず,カプロン酸,カプリル酸,カプリン酸などの比較的炭素数の長いものが共通して検出されたが原因物質と断定するに至らなかった.
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