Japanese
English
研究と報告
寛解状態にある分裂病者の職場内適応について—某企業体における実態調査を通じて
Adaptation of the Remitted Schizophrenics to the Occupational Environment: The Case Survey in a Company
小見山 実
1
,
金田 美弥子
2
Minoru Komiyama
1
,
Miyako Kaneda
2
1東京医科歯科大学神経精神医学教室
2東京瓦斯診療所
1Dept. of Neuropsychiat, Tokyo Medical and Dental Univ., School of Med.
2Tokyo Gas Clinic
pp.989-994
発行日 1968年12月15日
Published Date 1968/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201415
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Ⅰ.まえがき
結核対策から始まつた企業体の健康管理は,年々その成果があがり,結核による休業日数は,10年前と比較すると大幅に減少している。現状では,結核にかわつて癌,高血圧,糖尿病などの成人病や不慮の事故および精神障害の対策がクローズ・アップされてきている。なかでも精神障害は発生件数も,1件あたりの休業日数も多く,そのうえ管理方法も他の身体疾患とはちがつた多くの面をもつている。それゆえ精神衛生管理は企業体の健康管理のなかで,今後ますます重要な問題となつてゆくことが予想される。
さて,職場の精神衛生ではむろん,早期発見,早期治療,職場復帰が主要な課題であるが,また,職場に復帰している精神障害者がどんな適応をしているかを知ることも,興味あることであり,同時に精神衛生管理を行なっていくうえでも必要な知識となる。そこで今回は,一番数も多く,困難も多い分裂病をとりあげ,とくに再適応に焦点をあてて調査した。その結果を報告し,若干の考察を加えてみたい。
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