特集 精神療法の技法と理論—とくに人間関係と治癒像をめぐって
第3回日本精神病理・精神療法学会シンポジウム
指定討論
藍沢 鎮雄
1
1慈恵医大神経科
pp.496-498
発行日 1967年7月15日
Published Date 1967/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201221
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質疑の焦点をしぼるようにとの座長のご指示を幸いとして,私はおもに森田療法について,つね日ごろ疑問に思つていることをありのまま論じてみたいと思う。したがって,おもに鈴木先生への討論になるが,幸い各立場の諸先生はそれぞれなんらかのかたちで森田療法にふれておられるので,他の先生方からもいろいろご教示願いたいと思う。
討論を始める前に,討論者の立場をはっきりさせておく必要があるかと思う。それは同じ森田療法といつても,われわれの調査によれば,その実態は各診療機関によってかなり差異があるように思われるからである。この意味で過日数日間ではあったが,鈴木先生の治療の実際をつぶさに拝見することができたのは,私にとつて大きな収穫であつた。そして,先生の治療の実際が森田の原法に近く,それが先生の立場なのだと私は理解した。そしてご発表にあつたような実り豊かな治療実績をあげられ,森田療法の優秀性を実証されていることに,まず敬意を表したい。
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