Japanese
English
研究と報告
精神分裂病者の作製した建築設計図についての検討
Study on the Front View for Building Designed by Schizophrenic Patients
広瀬 伸男
1
,
大塚 諄雄
1
,
高田 紗智子
1
,
高井 作之助
2
Nobuo Hirose
1
,
Atsuo Otsuka
1
,
Sachiko Takada
1
,
Sakunosuke Takai
2
1大垣病院
2名古屋市立大学医学部精神神経科教室
1Ogaki Mental Hospital
2Dept. of Psychiatry and Neurology, Nagoya City University School of Medicine
pp.185-188
発行日 1967年3月15日
Published Date 1967/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201165
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Ⅰ.序
精神病者とりわけ精神分裂病者の作製したものについての蒐集と考察に関する業績は,絵画,彫刻,創作などを中心に実におびただしい量にのぼつている。そのなかで,かつて私は短詩型の作品,書翰,標語などの蒐集と検討について報告してきた。しかしながら,今回私どもの扱つた建築平面プランのごとき文献は,内外ともに見当たらず,ただ建築物の報告としてはわが国において二笑亭をあげることができる程度である。しかも,ここにかかげる設計図は私どもの要請とか期待によつて累積されたり,歪曲されたものではなく,あくまで患者自身の作品であり,まとめるにあたつて患者の閲覧持出しの拒否にも遭遇したが,2患者とも入院数カ月の後,一種の疎通により初めて膨大な作品に接することができたのである。そこで,2人の精神分裂病者の作品群から得た所見を,紙面規定の許す範囲内において,若干披瀝してみたいと思う。
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