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研究と報告
社会復帰過程からみた分裂病者の人格障害—予後調査およびロールシャッハ再テストの知見をめぐつて
Clinical Studies on Personality Disorders in Schizophrenic Patients in Terms of Follow Up Study & Re-Testing of Rorschach Test
鈴木 竜一
1,2
Ryuichi Susuki
1,2
1慶応大学医学部神経科
2三恵病院
1Dept. of Psychiat., School of Med., Keio Univ.
2Sankei Hosp.
pp.179-183
発行日 1967年3月15日
Published Date 1967/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201164
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Ⅰ.まえがき
三浦は第1回精神病理・精神療法学会のシンポジウムの「精神分裂病の"治癒"とは何か」で,分裂病とはHEyのいうごとく1),慢性的に進行する自閉的存在への解体を本質とし,したがつてその真の意味における治癒はきわめて困難であるという見解を表明した2)。この見解はわれわれが行なつたロールシャッハ・テストによる境界例・破瓜病・欠陥状態・社会的寛解状態などのいわゆる分裂病領域にある各患者の人格障害の研究の知見とよく一致した3)。
(1)第1表のように,ロールシャッハ・テスト(以下ロ・テストと略す)上その分裂病としての特徴は,テスト反応の不活発さ,現実把握の歪み,いわゆる分裂病指標などにあるが,このような人格障害の知見は,境界例,破瓜病,いわゆる欠陥状態の間に質的な連続性を示し,その違いは段階的な程度の差である。
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