Japanese
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研究と報告
列車妨害についての犯罪心理学的研究の試み—精神薄弱の一側面としての非行を中心に
Criminological Research of the Destruction and Damage to Train or Electric Car Traffic
広瀬 伸男
1
,
高田 紗智子
1
Nobuo Hirose
1
,
Sachiko Takada
1
1大垣病院
1Ogaki Mental Hospital
pp.661-666
発行日 1968年8月15日
Published Date 1968/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201374
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I.はじめに
犯罪非行の問題は,精神医学,心理学,社会学などの接点に立つ重要な課題であり,これの業績はまさに汗牛充棟の感がある。しかしながら,列車妨害に関する系統的な研究もまた,焦眉の課題であり,この種の犯罪非行は原始的な意志の発動によるものであろうし,犯罪非行のUrmotivを考えるうえに恰好の資科と思われ,その特殊性は不特定多数を対象とし,直接に危害をこうむるのは人間ではなくて,動く軌道車という点である。しかもこの問題は,流動する社会背景,法理念のもとに罪状の重さにさして変容をきたさない点は放火と同様であり,Garofaloのいう自然犯罪に属するものである。したがつてわれわれは放弄火の研究に引続き,列車妨害について整理し,いささかの私見を述べたいと思う。
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