Japanese
English
研究と報告
精神薄弱にみられる分裂病状態について
On Schizophrenic State in Mental Deficiencies
高井 作之助
1
Sakunosuke Takai
1
1愛知教育大学特殊教育教室
1Dept. of Special Education, Aichi University of Education
pp.557-565
発行日 1974年6月15日
Published Date 1974/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202184
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I.はじめに
精神薄弱(以下精薄)においても,知能正常者にみられるようなさまざまな精神障害を合併することは,経験的にもよく知られていることである。精薄はその知的あるいは情緒的な未熟性,脆弱性のため環境からのさまざまなストレスに対し,神経症的な反応や精神病様状態を生じやすいことは容易に推察し得ることである。
精薄の示す分裂病状態については,Kraepelin1)以来多くの報告がみられ,Luther2),Brugger3)らはPfropfschizophrenie(接枝性分裂病)は精薄と分裂病との偶然の一致であろうとし,Myerson4)は分裂病と精薄との間には生物学的な関連性があるとは思われないと述べている。
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