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特集 内因性精神病の疾病論
第63回日本精神神経学会総会シンポジウム
精神分裂病の原因と治療
Über die Ätiologie und die Behandlung der Schizophrenie: eine kritische Betrachtung
島崎 敏樹
1
T. Shimazaki
1
1東京医科歯科大学精神医学教室
1Aus der psychiatrischen Klinik der Ika-Shika Universität zu Tokyo
pp.31-33
発行日 1967年1月15日
Published Date 1967/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201136
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精神分裂病の原因は何か,この問いを現在出すことが,ときを得たこととは思えにくい。しかし「原因論」を検討することは許されると思う。
分裂病の原因論には「宿命論」と「運命論」とある。宿命論ではどうみるかというと,分裂病というものは,なんらか自然科学的な原因で病がオーガニズムに発生するものであり,起こつた変化も自然科学的にとらえることができると考える。井上英二教授の発表のなかにあつたように,分裂病を一つの群として扱う場合,その発病には遺伝子型が関与しているという事実——これは分裂病の変化が「宿命的」に発生するものだということの一つのあかしになる。
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