Japanese
English
研究と報告
ヒステリー患者の脳波異常
On the Electroencephalographic Abnormality of Hysterics
稲垣 卓
1
,
井上 照雄
1
,
内田 又功
1
T. Inagaki
1
,
T. Inoue
1
,
Y. Uchida
1
1鳥取大学医学部神経精神医学教室
1Dept. of Neuro-Psychiat., Tottori University, School of Medicine
pp.844-850
発行日 1966年10月15日
Published Date 1966/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201082
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I.はじめに
Brazierら1)は神経症患者の周波数分布曲線が二峰性になり,うち速波優勢は不安神経症に多く見出され緩徐波優勢はいずれの型の神経症にもみられるとし,岡嶋2)はヒステリー・制縛状態群ではα波が緩徐化する傾向がみられると述べ,大熊3)はヒステリーには,後頭部徐波が出現する場合がかなり多く,pentazol,光-pentazol賦活に対する閾値の低いことに注目した。また,中沢ら4)は徐波を示したヒステリー2例を報告し,小川ら5)は徐波傾向を示した小児ヒステリーの1例を報告した。
われわれの臨床においても,脳波異常を認めながら,どうしてもヒステリーと診断せざるをえない症例にときおり遭遇するので,過去において鳥取大学神経精神科でヒステリーと診断された患者の脳波所見の調査をこころみた。
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