Japanese
English
研究と報告
精神神経疾患者に対するL-K・Mg-Aspartateの静注による臨床脳波学的研究
Clinical Electroencephalographic Studies on Intravenous Injection of L-K・Mg-Aspartate in Neuropsychiatric Patients
田中 善立
1,2
,
迎 昶
1,2
,
佐藤 清煕
3
,
岩沢 洌
3
Z. Tanaka
1,2
,
A. Mukai
1,2
,
S. Sato
3
,
K. Iwasawa
3
1岩手県立南光病院
2岩手県精神医学研究所
3東北大学医学部精神医学教室
1Iwate Prefectural Nanko Hospital
2Iwate Prefectural Psychiatric Institute
3Dept. of Neuropsychiat, Tohoku Univ., School of Medicine
pp.676-687
発行日 1966年8月15日
Published Date 1966/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201055
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I.はじめに
L-アスパラギン酸ならびに同塩に関するところの基礎的および臨床的研究は,最近数多く報告されている1)〜4)。
しかし,臨床的応用として,本剤の中枢神経系に対する効果5)については,肝性脳障害や中毒性脳障害などの二次的脳障害に関する応用のほかには,あまり確定的効果の報告は少ないもののようである。
また脳波学的研究では,皮質ネウロンの賦活作用6),N-メチル・アスパラギン酸によるネコ脳波の賦活と行動の変化7)8),肝性脳障害時の脳波変化9)や,精薄児に対する本剤の長期投与前後における脳波像の比較10)および抗けいれん・抗てんかん作用11)についての報告があるが,いずれにせよ,この方面の研究はきわめて乏しい。とくに本剤の静注による人脳波に及ぼす影響という,臨床脳波学的研究はほとんどない。
そこでわれわれはL-K・Mg-Aspartateの静注剤の恵与を田辺製薬株式会社より得て,直接に,人脳波に及ぼす影響を詳細に検討して,臨床脳波学的に興味ある結果を得たので,ここに報告する。
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