明日への展開--ヒューマンバイオロジーの視点から 乳腺
乳汁分泌異常とその治療
森 宏之
1
,
合阪 幸三
1
Hiroyuki Mori
1
,
Kozo Aisaka
1
1大分医科大学産科婦人科教室
pp.581-587
発行日 1984年7月10日
Published Date 1984/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207025
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非妊時に乳汁漏出がみとめられる患者では間脳・下垂体・卵巣系が抑制されて無排卵・無月経になることは2000年以上も前から知られていた。この本態が高プロラクチン血症によるものであることが明らかとなったのは比較的最近のことで,プロラクチンのRIAが可能となってからである。乳汁漏出がみられる患者の多数が高プロラクチン血症を伴うことから,乳汁漏出症の本態はプロラクチンが深く関与していることは間違いない事実であるが,全ての高プロラクチン血症に乳汁漏出症がみられるわけでもなく,また乳汁漏出症の全てに高プロラクチン血症を伴うわけでもないことから,いまだに未解決な問題がある。
本稿では,まず非妊時における乳汁分泌についてのべ,ついで産褥期の乳汁分泌異常すなわち乳汁分泌不全についても言及する。
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