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資料
森田療法(入院式)の現況—10病院・診療所のアンケート調査から
The Current Therapeutic Trends of Morita Therapy
大原 健士郎
1
,
藍沢 鎮雄
2
,
小島 洋
2
,
岩井 寛
2
,
宮田 国男
2
K. Ohara
1
,
S. Aizawa
2
,
H. Kojima
2
,
H. Iwai
2
,
K. Miyata
2
1多摩川保養院
2高良興生院
1Tamagawahoyoin
2Kōrakōseiin
pp.249-258
発行日 1966年3月15日
Published Date 1966/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200981
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I.はしがき
森田正馬教授が森田療法を創始されたのは,いまから40数年前といわれる。われわれは森田療法が現在,どのような場で,いかに継承されているかを知るために,一連の調査をつづけている。現在,森田療法については,それを入院治療と外来治療とに二大別する学者もあり,一方では,森田療法とは本来,入院治療のみをさすべきものであつて,外来でのそれは,外来式森田療法または外来治療における森田療法的アプローチとよぶべきである,と主張する学者もあつて一定しないが,ここでは入院式森田療法のみをとりあげた。
調査は主として,各病院,診療所などに質問用紙を送付し,種々の項目について回答を求めるという,いわゆるアンケート形式をとつた。もちろん,このアンケートによる調査には自ら限界があり,これをもつてすべての実態が明らかにされたとするものではなく,むしろ,さらに突つこんだ脊後の調査の足がかりを得るための基礎資料となるものである。しかし,アンケートによる利点も認められないわけではなかつた。というのは,幾項目かにわたつて,文字になつて現われた回答から,簡潔で率直な治療者側の意見が,一定の枠内においてとらえられ,比較を可能にせしめたように思えるからである。もしも,各治療者との面接,各治療場面における見学などにもとづいた調査のみでは,おそらく,質問に対する明確な回答が得られなかつたであろうと思われるいくつかの項目がある。絶対臥褥,不純型の問題,遊戯およびレク療法,各機関の悩みなどにしてもこのことはいえると思う。
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