Japanese
English
研究と報告
児童の自殺について—家庭環境を中心として
Suicide in Children: A Viewpoint from Family Pathology
大原 健士郎
1
,
藍沢 鎮雄
1
,
清水 信
1
,
小島 洋
1
K. Ohara
1
,
S. Aizawa
1
,
M. Shimizu
1
,
H. Kojima
1
1慈恵医大精神神経科教室
1Dept. of Neurol & Psychiat., Tokyo Jikeikai School of Med.
pp.375-379
発行日 1963年5月15日
Published Date 1963/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200561
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I.はしがき
近年,ジャーナリズムなどにより,児童の自殺が増加したかのごとく報道され,各界の注目をあびるようになってきた。しかし,この種の詳細な調査,報告はほとんどなく,その実態を知ることはできない。児童の自殺に関しては,これまでにL. Kanner,B. C. Bosselman,M. D. Schechter,L. Bender & P. Schilder,J. M. Toolan,G. Zilboorg,T. Okiらの報告があるが,いずれも資料の不足,対象の選択などの点でdynamicな研究調査を欠くうらみがないでもない。われわれは,(Ⅰ)統計的研究,(Ⅱ)精神医学的・心理学的症例の検討,(Ⅲ)一般児童に存在する自殺傾向の形成,の3方面よりこの問題を追求しているが,この論文では,症例を検討しながら,児童の自殺傾向形成について考察してみたいと思う。
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