Japanese
English
研究と報告
Diazepam注射薬の精神症状におよぼす影響とその応用
Clinical Experiment on Basic Investigation of Diazepam (Cercine) Interview
金子 仁郎
1
,
藤井 久和
1
,
武貞 昌志
1
Z. Kaneko
1
,
H. Fujii
1
,
M. Takesada
1
1大阪大学医学部精神神経科学教室
1Dept. of Neuropsychiat., Osaka Univ, Medical School
pp.57-60
発行日 1966年1月15日
Published Date 1966/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200953
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I.はじめに
Chlordiazepoxideと近似し,しかも数倍強力な作用をもつdiazepamが開発され1),その臨床的有用性は欧米ならびに本邦での多数の臨床実験で確かめられた2)5)6)。われわれも,すでにdiazepamが患者の不安,緊張,焦躁感に選択的に作用し,精神症状を軽快させること,医師・患者間の疎通性を増大させ,精神療法を容易にすることなどの点で,精神神経症,精神身体症などに対する画期的な治療薬としての価値をもつものであることを報告してきた3)。
すなわち,diazepamはchlordiazepoxideに比し,効果の発現は速効的であり,その作用も強力であり,適応スペクトルもより広いことから,chlordiazepoxide無効例にも,すぐれた効果を示すものがあり,とくに従来の薬物に反応しがたかつた恐怖症,強迫神経症にも有効な症例を認めた。
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