Japanese
English
研究と報告
Diazepamの精神科領域における使用経験—精神神経症,精神身体症を中心に
Clinical Evaluation of Diazepam on Psychiatroc Disordersespecially on Psychoneurosis and Psychosomatlc Disorders.
金子 仁郎
1
,
藤井 久和
1
,
武貞 昌志
1
Z. Kaneko
1
,
H. Fujii
1
,
M. Takesada
1
1大阪大学医学部精神神経科
1Dept. of Neuropsychiat., Osaka Univ. Medical School.
pp.351-356
発行日 1965年4月15日
Published Date 1965/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200839
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I.はじめに
Chlordiazepoxideの出現(1960年)以来,精神神経症,精神身体症を主とする情動障害に伴う疾患の治療は画期的な進展を見ている。すなわちchlordiazepoxideは化学的には従来のtranquilizerとその構造を異にし(第1図),薬理学的臨床的にも特異的で,その抗不安・抗緊張作用は強く,その有効なスペクトルムの広いことが確認されてきた。しかし1961年Sternbach1)らによつてbenzodiazepinの誘導体としてdiazepam(7-chloro-1,3-dihydro-1-methyl-5-phenyl-2H-1,4-benzodiazepin-2-one)(第1図)が合成され,Randall2),Sussex3)らによりその薬理作用が検討されるとともに,ひきつづいて行なわれた多くの臨床実験からdiazepamがchlordiazepoxideに比してより広いスペクトルムと強力な作用をもつことが報告された。精神科領域におけるdiazepamの治療効果もまたCollard4),Proctor5),Vilkin6),Difrancesco7),Constant8),Blackmann9),Pianatro10),Towler11),Borenstein12)らによつて報告された。
われわれもdiazepamを試用する機会をえたので,精神神経症,精神身体症を中心に報告する。
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